読書ナビ

『人生で最も影響を受けた本』

Sam Harris 『The End of Faith』

出版社: Free Press

日曜日の朝、ちくちくする生地のスーツを身につけ車の中で賛美歌を歌いながら家族で教会に向かった。生まれてからの18年間ほぼ毎週の出来事だ。しかし、30代のときにこの本を読んだ瞬間からキリスト教徒と名乗れなくなった。「信じるより考える」、「信仰より理性」というメッセージをしっかり受け止め、アンチ宗教の人にまでなった。

ビル・ブライソン『人類が知っていることすべての短い歴史 』

出版社: 日本放送出版協会

素粒子から宇宙まで、130億年前から今までのことを全部解析するという無謀な試みの本だ。もちろんできやしないけど、いろんな発見にいたる逸話や偉大な科学者達の面白エピソード(ニュートンは自分の目に針を刺したことがあるとか)を紹介しながら科学のすごさを教えてくれる。僕にとって、自然界に興味を持って生きるきっかけとなった本だ。東工大の生徒にとって、科学に興味のない人に、科学の話をかみ砕いて面白く伝えるためのお手本になるはず。

読んでね
君は「エーテル」を知っているか?
化学の有機化合物ではなくて、物理学で光を伝播すると考えられていた物質の方だ。科学は教科書通りに進歩してきたわけではない、時につまづき・時に間違えながら人類は知を蓄えてきた。受験勉強はもうやめだ、そろそろ本当の科学史を堪能しようじゃないか。

池田晶子 『14歳の君へ』 』

出版社: 日本放送出版協会

40代にして出会った大切な一冊です。自分が何者なのかを考えはじめた14歳。不器用で上手く前に進めなくてもがいていた思春期の初期衝動は、新しい視覚的な価値を提案する上でも大切なメンタリティなのですが、生きるってなんだろうと考え続けることこそがデザインの本質なのかなと、あらためて感じさせられました。社会人になる前にもう一度自分を見つめ直す機会として皆さんにもオススメします。

 

読んでね
当たり前のように感じていること、もう一度考えてみませんか?

プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』(講談社学術文庫)

出版社: 岩波書店

社会の変動期に現れるのは、ものごとを根本に遡って問うということに命を懸けた人々である。「正義とは何か」「幸福とは何か」「勇気とはなにか」といった問いに向きあった最初の哲学者はソクラテスであった。哲学を志して大学に入った当時、哲学というものは孤独な思索のなかで展開するものと思い込んでいたが、ソクラテスが市場のまんなかでいろいろな人々をつかまえて議論をしている姿を知り、驚愕したことを覚えている。ソクラテスが人々と対話を繰り返したアテネのアゴラ(市場)と同じように、東工大の学食あたりが哲学的対話の場となるように期待したい。

『論語』

出版社: 岩波書店

アジアの東の端に位置する日本は、中国と朝鮮半島からの文化の影響を大きく受けてきた。なかでも孔子の思想は儒教として輸入され、日本の政治思想の根幹を形成してきたといってもよい。『論語』は、古典中の古典として広く読まれた。江戸時代の初めには、武士の教育だけでなく、庶民の教育にも普及し、岡山では、海辺の漁師の娘までが「論語」をそらんじていたという。本書は、分かりやすい日本語の翻訳がついた名著である。孔子と弟子たちとの対話には、神も奇跡も登場しない。驚くべき紀元前6世紀から5世紀にかけて活躍した偉大な人間の記録である。

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皆さんには尊敬する先生がいますか?迷った時にふっと蘇ってくるような言葉を授けてくれた人はいますか? 春秋時代に生きた孔子先生は、弟子たちにとってまさしくそういう存在だっただろうなと思います。孔子先生の人となりを想像しながら、自分自身に寄り添う言葉として、じっくり「論語」を楽しんでみます。

福沢諭吉『学問のすゝめ』

出版社: 岩波書店

大学入学が決まったときに読んだのが『学問のすすめ』。学問を身につけてこそ、人は独立心を得て、国家にも対峙できる。生きるための学問とは何かを考えるときに欠かせない古典です。

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140年前に出版されたにもかかわらず、今の自分に欠けていることがそのまま心得として書かれていたりする。「物事を鵜呑みにせず疑え」とか当たり前のことだけど、実際にはなかなか難しい。日本を変えようとする福沢諭吉のスピリットが、明解かつ説得力ある言葉とともにそんな自分を動かしていく。

ショウペンハウエル著『読書について』

出版社: 岩波書店

教養を身につけるためには読書が必要。でも、「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない」とのショウペンハウエルの指摘は、大学生の私にとって衝撃的でした。問題は読書の先です。

真木悠介『気流の鳴る音』(ちくま学芸文庫)

出版社: 筑摩書房

理系で大学に入りながら、生きることの意味を見失い、留年し、もがいていた時に出会った本。ネイティブ・アメリカンの一見不思議に見える世界を、社会学者の著者が鮮やかに解きほぐし、ぼくたちが明晰でありつつ、生きる力をどのように見つけ出せるのかを説く。この状況を突破しつつ、自分に正直に生きたい人たちのために。

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見えるがゆえに感じにくくなり、自分の世界を知りすぎているゆえに他者の世界を受け入れにくくなる。ドン・ファンの、「知者」になるための言葉は時に逆説的、抽象的で難しいが、それらは理詰めではなく感覚で理解するもの。では、感覚を磨くためには何をするのが一番だろうか?僕は「旅」だと思う。

たかのてるこ『ガンジス河でバタフライ』(幻冬舎文庫)

出版社: 幻冬舎

人生変えるなら、やっぱり旅でしょ。ぼくも21歳の時のインド放浪旅行がなければ、まったく別の人間だったはず。その体験は『スリランカの悪魔祓い』にも書いたけど、ぼく以上にインドのスゴさと、旅の面白さを伝えてくれるのが、たかのさんのこの本。おバカな女子大生の珍道中。笑いすぎて腹筋つりそうになりながら、でもむちゃくちゃ考えさせられる。そして君も旅に出たくなるよ!

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海外旅行で一番必要なものは何だろう。お金?語学力?事前の下調べ?五感以上に第六感を頼りにし、やる気、気力を武器に進んで行く筆者のアジア旅行はぶっ飛んでいるけれど、そのヒントを教えてくれます。答えを自分で見つけ出せたら、「一人旅」「留学」といった言葉に惹かれること間違い無し。
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